衛星測位システム(GNSS)通称GPSの基礎知識と誤差を検証をしてみる
衛星測位システム(GNSS)に関する仕様やさまざまなメモ。そして、ガーミンはスマホよりGPSの精度いい!というたまに聞く噂を本当かどうか実用上の観点から検証してみる。
はじめに知っておきたい
「GPS」という呼び名が広く用いられているが、「GPS」はアメリカ合衆国が開発、運用している衛星測位システムの名称のことである。コピーのことをゼロックスコピーと言ったりするのと似たようなもんである。日本では最初、アメリカの測位システムをお借りしたのでGPSと呼んでいても間違いではないが、現在では、日本独自の衛星測位システム(準天頂衛星、みちびき、QZSS)も使えるし、ロシアのGLONASS、欧州のガリレオ、など、いろいろ使えるわけで、GPSと呼ぶのはあくまで俗称である。
スマホやガーミンはどの衛星測位システムを使っているのか?
仕様をぐぐる
持っているスマホやガーミンの型番とかでぐぐれば出てくるでしょう。例えば、2020年発売のガーミンのとある機種で探してみると、測位衛星:GPS/GLONASS/QZSS(みちびき) となっている。つまり、米国、ロシア、日本の衛星測位システムを利用できるわけである。
わたしの手持ちのXperia SO-04Jはというと、GPS、ガリレオに対応とあり、QZSS(みちびき)は対応してないとある。みちびきが使えないのは痛い。しかしハード的には対応しているようだが、ソフト側で対応できてないだけだったようだ。2019年の2月にAndroid9.0にアップデートするとともに使えるようになったらしいがアプリで確認してみると捕捉できない(謎)。みちびきは日本独自の衛星で、日本のおおよそ天頂に衛星が常にいるように、複数の衛星が軌道(準天頂軌道)を飛んでいる。これを捕まえていれば精度がうんと高くなる(正確には位置が飛ぶことが少なくなる)。沢や谷で強い。
ぐぐっても良くわからない、ならばアプリ様に頼ろう
スマホの場合、ぐぐってもよく分からない場合はアプリを入れてみましょう。GNSS Viewerというやつを入れると、世界中の測位衛星システムの捕捉状況を調べられる。GPS、ガリレオ、GLONASS、QZSS等を見分けられるので、どの測位システムを捕捉できているか分かります。
機種によって誤差(性能)に違いがあるんでしょう?
当然あります。ただ高いスマホだから、最新のスマホだから精度がいい。ガーミンこそ最高。というわけではきっとありません。GPS、GLONASS、みちびき、ガリレオ、どれを使っているかに寄っても大きく変わりますし、時間や場所で衛星の位置は刻々と変わるわけで、とある場所で誤差があったからといって、その機種ダメー、という判断は早計です。ちなみにデータ通信(通話)ができる状況ですと、スマホはA-GPSを使えます。A-GPSサーバーとのデータ通信により、衛星位置の情報の補完を受けられるので精度を高めることができ、ガーミンよりスマホが有利になったりもします。
ならば検証してみよう
いま、手元に4つの機器があります。借り物もある。GNSS Viewerで確認してみた。
- Xperia SO-04J
- GPS(A-GPS)、GLONASS、ガリレオ、Beidou(中国)、(みちびき?)
- ガーミン
- GPS、GLONASS、みちびき
- 格安スマホ
- GPS(A-GPS)、GLONASS、ガリレオ、Beidou(中国)、みちびき
- Huaweiタブレット
- GPS(A-GPS)、GLONASS、Beidou(中国)
林道、沢、通信が通ってる場所、とかでそれぞれやってトラックを取り、緯度経度から、誤差距離の二乗和の平方根でもとって差をみていけば検証できるであろう。なかなか興味深い。ガーミンは仕様みると上の3つしかない。新しいせいもあるのか、格安スマホが一番衛星を捕捉できる現実。そのまま信じれば一番有利。そのうち遊んでみよう。