ムキタケ(食)
基本情報
- 傘色 淡黄褐色または緑がかかった黄褐色
- 傘面 3~15cmで半円形ないし、やや長くなる腎臓のような形(楕円形を半分にしたようなイメージ)。中央がなだらかに盛り上がる。大型のものは逆に窪む。表面にはよく見ると細かい毛が密生しており、この傘表面の皮がむけるのが名前の由来。
- 傘裏 傘表面より淡い黄褐色で、びっしりと密に並ぶ。
- ツバ 無し
- 柄 短く太いが、柄と呼べるものはほとんど無い。倒木からそのまま傘が開いた付き方をする。
- 場所 広葉樹の倒木、枯れ木など。
- 匂い 特に無し。
- 時期 秋(ツキヨタケの終わる頃、大型のツキヨタケが目立ち始める頃)、晩秋まで。
- 別名 ノドヤキ、カタハ、オソムキタケ
特徴
美味しく人気の高い食用キノコ。森の桃。傘表面が微毛に覆われており、その傘を縁の部分からむくとぺろりと剥け、白い肉質が現れる。まさに美味しい桃のようである。形状と良い、付き方といい、ツキヨタケにやや似るが、傘色等、特徴はまったく異なるので間違うことは無い。晩秋まで比較的長い期間取ることができるキノコで、見つかる時はキロ単位で大量に採れることが多い。大きめなものも結構みつかるので量も多く取れる。
見分け方、同定
剥いてみれば一目瞭然。ぺろりと傘の皮が向けて中からおいしそうな淡い白~淡黄色の肉質が現れる。雨のあとでなければ傘の表面にこまかな微毛が見られる。あらためて凝視しなくとも、雰囲気としても分かる。柄から切り取ろうと思っても柄がほとんどなく、傘の根本を切り取る感じで取ると後処理も楽。その際に柄の部分に黒いシミが無いか同時にチェック。なお、最近の遺伝子解析結果により、やや緑がかった色のものは別種と判明。オソムキタケという名前が提案されている。
似たキノコ
ツキヨタケ(毒)
倒木、立ち木へのつき方と傘の形が似る。違いはまず色、ツキヨタケとムキタケはやや大きめなものになれば色の違いは明瞭。ツキヨタケは毒々しい、黒や紫を含んだような色をしており、虫がたかっている。一方ムキタケは大きくなれば黄褐色が目立ってくる。幼菌の時はツキヨタケもやや柔らかい色をするため注意を要するが、色の系統としては見た感じで違う。またムキタケが出始める頃にツキヨタケは終わりはじめるので時期の違いもポイント。誰でもいけそうな林道そばに大量にツキヨタケに見える大型のキノコが残っていればまずそれはツキヨタケである。
- 見つけたら1つ傘表面を剥いてみる。少し傘表面のゴミ取りをしようとするとすぐ剥けてくるものもある。
- 傘色を確認。湿っていると少し濁ったような独特な色をしており、いくらか経験を積むと色だけで分かるようになる。
- ヒダの密集具合を見る。ツキヨタケより密にヒダがある。このあたりは言葉にしにくいのでツキヨのヒダの密度との違いを覚えるしかない。
- 柄の部分を傘側から割いてみる(根本が黒ければツキヨタケ)
- 柄にツバがあればツキヨタケ
- そこそこ通行のありそうな林道のそばで、そこそこ大きいものがたくさんあれば、それはまずツキヨタケ
食用
調理すると肉がゼラチン上になり、とても柔らかくなるがしっかりとしている。味も出汁もよくどんな料理でも使いやすい美味しいキノコである。ちゅるり、とろりとした食感がよく、顔がほころぶ。水分量が多いため天ぷらには向かない(カリっとはならない)。天ぷらにする場合は、洗ってから少し乾燥させるとよいかも。
ステーキ風: オリーブオイルをたっぷり入れてフライパンでじゅーじゅーと焼く。水気が十分取れたら、醤油を少したらして焦がし醤油に。ステーキのようにナイフとフォークで上品に頂く。
下処理と保存
軽く洗ってゴミを取り、柄の部分がゴミがあるなら、ナイフで切り取る。ツキヨとの違いを確認もできる。時期的に間違いようはないですけれど。2,3日で食べるなら冷蔵、それ以上なら生のまま冷凍。味は落ちない。傘の皮は剥かなくて良い。
味
★★★☆☆
傘の皮を剥いてみれば、その中には美味しそうな白い肉質が現れる。森の桃。
若いツキヨタケ。ツキヨは大抵虫が食っているので分かり易いが、こういう旬な感じなものをムキタケと間違わないように要注意。剥いてみる、柄を切ってみることは必須。
大きいものはこの数倍にもなるが、個人的には小ぶりのもののほうが味、食感とも楽しめる。
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