影大東
お頭がロマンを語った。
キンキンに緊張したかのように凍てついた朝。
われわれがいるのは大東岳の北斜面。
バーンにアイゼンを効かせ、頂きを目指す。
ちょうどその頃、
右をみやれば、
大東岳の影が現れる。
影は、猿鼻山、タイロク山(南面白)にかかるはずだと。
うまくすれば影大東をとらえることができると。
われらは、
そんな浪漫を共に抱いて、
おおあずま岳を目指すのだ。