角平の記憶(2022.1)

角平の季節がやってきた。角平(かくたいら)と呼んでいるが読み方は定かではない。後白髪山山頂より南に2.1km、三角点のある地である[地理院地図]。三角点名がそうというだけで、地名であるかどうかも不明だ。勝手にそう呼んでいるだけだ。

角平を訪れること出来るのは積雪期から残雪期に限られる。といっても行きたければいつの季節にでも行けばいいのだが なかなかそうもいかない。夏であれば、登山道から離れること数百m程度ではあるが、ちょっとね、笹がぶっといんですわ。角平に向かおうとすれば、背丈を有に超える根曲がり竹がこちらに向かってくるように生えていてちょっときつい。いや、けっこうきつい。これからも雪が溶けてからこの地にいくことはないだろう。行ったところで笹ジャングルに囲まれるだけだろうし。

 

 

とはいえ、この地には、山を始めた頃からのいろんな思い出が積み重なる。地図でこの地を見るたびにいろんな場面がいくつも湧いてくる。毎年数回は訪れる。大事にしている場所だ。

 

この一番高いところが、角平三角点だ。三角点の柱石はみたことがない。この先もないだろう。

 

もう数年前になるだろうか。1月上旬のちょうど今頃にもこの地を訪れていた。たんまりと雪が降り積もった翌日だった。その日は強風ながら日差しが期待できたのだ。矢盡沢から吹き上がる強風がひと冬を通して作るという。長さは1.5kmを超え、堤の高さは3mを超える箇所もある雪堤。その出来ていく様を見たかったのだ [角平の記憶(2018.1)]。

 

 

しかし ほんとキツかったんすわ。膝超えの場所もでてくるラッセルを片道5km弱。もうね、何度も帰ろうと思った。最後は重いものすべてデポして、足を幾度も攣らせながら何とか辿り着いた。ようやく角平の尾根に近づくと、雪庇をまさに作らんと吹き荒れる 白い疾風が迎えてくれた。晴天にも関わらず地吹雪と雪煙で白一色の世界。クマ帽も、フェイスマスクも、何もかも真っ白にされ、僕ちん もうシロクマになっちゃったクマー、になりながら辿り着いた先にあった光景は素晴らしかった。

 

靴紐を結ぼうと素手になろうものなら即座に手がもみじ饅頭。

 

前置きが長くなった。この日、一人のスキーヤーに出会ったのだ。定義林道4K地点から少し先あたりで私に追いつき、少し話をすると追い越していった。そのままちょっと先まで行ったあと、颯爽と滑って下っていったのだ。スキーヤーといっても 山スキーだ。整備されたゲレンデなど こんな山奥にはもちろんない。普通の靴で一歩踏み出せば、腰まで沈む新雪の上を滑っていったのだ。

 

羨ましかった。何が羨ましいって、下りじゃなく登りですわ。わたしは5時間以上かかってのラッセルでここまで来た。そのトレースを使ってきたから楽だった、とは言っていたが、聞けば3時間もかかっていないではないか。

 

 

この日、わたしは決心した。僕ちんもスキーをやるんだ!と。しかし残雪期にやる春山スキーとはまた異なるようだった。厳冬期にも滑る本格的な山スキーはハードルが高った。スキーの技術だけではない。山におけるいろんな知識と経験が問われるのが山スキーだった。

 

それから数年が経過した。道具を揃え少し滑ってみたものの、その年は記録的な寡雪となり全然滑れなかった。その翌年、コロナ襲来、秋には会社の駐車場ですっころんで大怪我。まるまる1シーズンを棒に振った。そして今年。たんまりと雪が降った。仲間を誘い、板を車に積み、いそいそと角平へと向かうこととなった。

 

 

カンジキ、スノーシューではそこそこ沈みそうな雪だったがスキー板は素晴らしかった。10cmも沈まない。素晴らしい。時間さえあればどこまででも行けそうなぐらい素晴らしかった。突き抜けるような青空の下、真っ白な雪面、広がるブナの原生林。歓喜しながらわれわれは角平へと歩を進めた。いや今日に限ってはスキー板だ。

 

僕ちんはやってやったぞ!これでもう厳冬期といえど、恐れること無く(疲れること無く)、角平に好きなだけいくことができるんだ!幸せな気分に浸りながらお昼を取った。冬の晴れ間のいい日和だった。昼寝すらできそうだった。たっぷりと大休止を取ったのち、再び板を手にすると、われわれは下山を始めた。

 

 

 

 

 

スキー板を肩に担いで・・・。

 

 

もうね途中から林が濃くなるととてもじゃないけど滑れなかったんですわ。

新雪で止まり方わからない

曲がれない

ゆえに直滑降怖い

 

 アァー(´д` )

 

降りれない急斜面を斜行で滑るも

足も攣り

ステップターンできなくなり切り返せない。

 

 アァー(´д` )

 

新雪で転けて起き上がって板を履く。

そのたびに体力が10%失われる。

 

 アァー(´д` )

 

僕ちんチンダ。

 

 


 

 

泥のように疲れて家に帰ると泣きのラインを入れた。

 

 

今日、スキーをしたくなったキッカケだった後白髪山の角平三角点目指していつもの3人でいってきました。大いに挫折してかえってきましたorz 直滑降怖い、曲がれないの怖い、止まれない、だからさらに直滑降怖いの無限ループ。帰りは林道でも足がきかなくなり滑れない始末(´・ω・`)

 

 

翌朝、ラインをみると、返事が来ていた。

 

 

まずはそんなもんです。
10転び10起き超疲れた😣 もうダメモードを繰り返し,何事も経験は最大の力なりに繋がるんですよ。