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記憶色と期待色。脳科学?

21世紀初頭、デジタルの世界が登場したころ、プロカメラマン(主に水中写真)の方のとある解説。デジカメがどうこうって話ではなく写真一般のお話し。

 

 

■記憶色、期待色の再現

おそらくフィルム(写真)業界や印刷業界だけの業界用語だと思われますが、 ”記憶色”や”期待色”という言葉があります。

 

”記憶色”とは、撮影者がある風景や被写体を撮影した時、 自分の脳に記憶されるその情景の色の事です。

”期待色”とは、写真や印刷において、「こういう色に出来上がって欲しい」と 期待している色の事です。

 

そして”記憶色”も”期待色”も実際の真の色とほとんどの場合において異なる色なのです。

 

たとえば、撮影者が綺麗な「南国の青い空とエメラルドグリーンの海」に感動して 写真を撮ったとします。その時、撮影者には感動という主観が加わる事でより 誇張された青い空とエメラルドグリーンの海が脳に記憶されるのです。もし、その時撮影された写真が実際のものにより近い色で再現されると、ほぼ例外なく 「この写真は、なんか違う。全然感動が伝わって来ない」とガッカリするのです。そこで、青や緑を誇張(彩度を上げ、コントラストを強調)すると 「まさにこの写真のような青い空とエメラルドグリーンの海だった!」と感動的な記憶が 蘇るのです。”記憶色”とはこのように作られた嘘の色なのです。そして世の中に存在 するほとんどのフィルムは、”記憶色”を再現する為に、多かれ少なかれ色を作って(誇張して) いるのです。もちろん、より忠実な色を再現するフィルムも有ります。それは商品カタログなど の撮影で使用されるフィルムやフィルムを複製する為のデュープ用フィルムといった、 特殊なフィルムです。

 

引用元

 

 

 

先の記事で長々と書いた話。実は一昨年ぐらい前に悩んだ末に出ていたものだった。上の解説は、だいたいその通りの説明。割と良い結論に行きついていたようだ?

 

 

いいコンディションで見た素晴らしい景色。これを、インプットされた思い出の記憶に近づけて撮りたいなら、色やコントラストを高くしないと、思い出の中の映像に負けちゃうのです。たとえその場面にいなくとも同じです。自然の素晴らしい景色は、心象を加味されて、より強く脳内にインプットされている。なので風景写真もいい場面なら強調しないとしょぼく映る。

 

 

 

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だから、風景写真はそれに合わせて撮ったり、出したりしないと

 

なんか違う・・・魅力的に見えない・・・

 

となる。

 

 

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ちなみに、この話。出版業界の映像や写真に関わるような人なら常識なのではないかと思う。旅行パンフレットや雑誌の風景写真なんかだと当然そうなる。実際より青い空、綺麗な緑、白い砂浜!とか現実より強い色で見せられても、人は違和感を感じない。脳内でイメージしているそれとマッチしているからだ。

 

でも現場で見比べれば、樹々の緑はそんなに緑じゃないし、空もそこまで青くない。

 

不思議なものだ。

 

 

脳科学の世界か。

 

 

4 件のコメントがあります。

  1. 感動して何枚もバシャバシャ(今はこんな表現すら違うとは思うのですが)撮って、帰ってきて現像して(これまた古い)みると、あの感動が色あせてみえますよねぇ。
    脳が補整してしまう“錯視”でしょうかねぇ。
    でもそれも又不思議で楽しい、人間だからですよねぇ。

  2. おはようございます。そうですね、現場で目にしてるものには敵いませんからね。

    太陽の光や風や匂いや音、登ってきて得られる光景、余暇を使ってきている、行きたかった場所、見たかった場所。

    いろんなものが詰まって感動してる訳ですから、記憶する色も良くなるのでしょうね。

    然るに、写真を見るときに期待する色もあるんじゃないかと思います。

    色なんてものも絶対的なものではなく、相対的なものだとも聞きます。たかが色の話とはいえ、想像を膨らますと、脳のの神秘、生物の神秘、万の神秘をちらりと感じます。

  3. その国や文化、人種による期待色はCMがお手本です。
    これは五感すべてに言えることで、それを否定できません。
    でもカタログやパンフ色は行き過ぎと思ってます。

  4. 基準はCMですかーなるほどー!CMは確かにそうですね、クロージングやエモーションやマーケティングを含めて、いろんなものがすべて詰まった帰結ですしね。
    あまりTVみないのですが、CMをみることがあったら、樹々の緑や、海や空の青をどうしているかよくみてみることにします。

    いいアドバイスありがとうございます!

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