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お肉の力

みんな大好き、 お、に、くー!


 

お肉の力

 

週末に予定している山小屋でのお食事会。10人近く集まるようだ。グループメッセージで連絡を取り合い、作るものを決めていった。やはりお肉は欠かせない。献立にお肉があがると盛り上がる。発起人でもあるMさんもテンションが上がるようだ。思わず叫ぶ。

 

 

--- ” お、に、くーー!”

 

 

馬鹿なことばっかりやってる私と違い、しっかりもののMさん。山でしか会うことはないのだが、大人になりきれない私のような輩は、Mさんを前にするとちょっと緊張する。しつけのしっかりとしたお母さんに対峙しているような気がするのだ。

 

そんなMさんも、お肉を前にすると相好を崩すのだからお肉の力はたいしたものだ。

 

 

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私が採ってきたキノコで、Mさんが作ってくれたナラタケの花笠踊り風ピザ。ナラタケの香りが思いのほかピザと合う。

 

 

いたずらっ子

 

私には姉がいる。下の子として育った。姉が親に叱られる場面を見るにつけ、何をすれば怒られ、何をすれば褒められるのか。親の様子を姉の陰から伺うという、しょうもない術(すべ)を身につけた。典型的な下の子だ。こういう奴は大抵甘ったれに育つ。

 

そんな育ち方をしたためか、他人との距離感を測る手段として、大なり小なりのいたずらをする。どこまで踏み込んでいけるか、いたずらをして様子を見るという悪い習性だ。この人はここまでは大丈夫。この人はこっから先はだめ。とかとか。

 

こうして、その人との適切な距離感を探る。深くまで踏み込ませてくれる人もいれば、そうでない人もいる。この目算が非常に重要である。これ一つで生きてきたと思ってもいいぐらいだ。しかし、よく目算を誤る。失敗すると叱られる。せっかく近づいた距離感を放棄して、すたこらさっさと逃げ出してしまう。しばらくは近寄らない。陰からこっそりと様子を見る。

 

そう言えば、私はあっちゃこっちゃでよく叱られているが、目算がそもそも出来ていないのかもしれない(笑)

 

 

 

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肉と心理学

 

大学の一年生の頃のお話。心理学の講義を選択した。その頃は、一般教養科目(通称、ぱんきょー)というカリキュラムが存在していた。工学部であった私だが、ある程度自由に講義を選び、単位をもらえた。若い頃というのは鼻っ柱が強い。自分は何でも出来ると思っている。例に漏れず私もそんな阿呆たれな若造だった。

 

そんな私が選んだのは心理学、美術史、そして、論理学。これまで何ら接点がなかったというのに。私にこそ心理学は合うのだ!と馬鹿なことを思ったものだ。さて。心理学の講義の一回目。大講義室。教壇に立つ教授。自己紹介が終わるや否や、皆にあることをやらせた。意図は教えてくれない。

 

 

--- なんでも良いから、漢字の1文字を紙に100回書いて下さい。

 

私は、”肉” を選択。

 

いいじゃない。若いんだから。”肉” をノートに書き出した。

 

 

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お友達のヤマちゃんが焼石の麓で焼いたホルモン。実は、お肉と哲学という小話を書く予定だったのだが、既にこんなに長くなったしまったので引き出しにしまっておこう。

 

 

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50回ぐらいに達した時に、おかしな感覚に陥った

 

自分が書いている ” 肉 ”  ” 肉 ” ではない。これはなんだ、私が書いているのは・・・”肉”・・・なのか?

 

--- そこのあなた。何を選びましたか?

 

--- ” 肉 “ です。

 

--- どうですか?

 

--- これは ” 肉 ” ではありません!

 

 

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大講義室に笑いが起こる。

 

なぜ私はこんな言い方で答えてしまったのだろう・・・。自分が書いている字が、 ” 肉 ”じゃないように思えてきました。とでも言えばよかったのに・・・。教授はしてやったりといった顔でこう続ける。

 

--- 何故、 ” 肉 ”  ” 肉 ” でなくるのか。ここに心理学の不思議があるのです。なぜそうなるのかを、これから論理的に説明します。

 

いや、肉を連呼しないでくれ。また笑ってる人がいるじゃないか。しかし、さすがは教授だ。初回の掴みとしては完璧だ。

 

 

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何回も1つの漢字を続けて書くと、不思議な事が起こる。

 

ここまで読んで、興味や疑問を持った方がおられるかもしれない。そんな方はチラシでも用意して、ペンを持ち、是非書いてみてほしい。なんでも良いから5画以上はある好きな漢字を一文字。できれば部首とかがある、簡単すぎない漢字が理想だ。100回。いや、50回もしないうちに、その漢字は、その漢字でなくなってしまうかもしれない。

 

ところで論理的にどういう理由なのかはさっぱり覚えていない。これは ” 肉 ” ではありません! と宣言して皆に笑われたことだけは覚えている。私にとって心理学と聞いて思い出すことの1つは、 ” 肉 ” である。

 

明日はいいお肉にありつけることだろう。

 

 

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