物にも心は宿る。

 

レトロな感じのカメラもいっぱい! F邸にて。


 

 

学生時代。3学年になると、川内の校舎から学び舎が青葉山へと移り、研究室に入った。今はもう退官されたC先生が私の指導教官となった。その後、7年間もお世話になることになったのだが、長い研究生活において師と仰いだ先生である。研究室に入ると間もなく、実験というものを始めることになった。一般教養課程の時のような、用意された手順、用意された実験器具、そして、予想される結果。こういったものは何も無い。全てが手探りである。実験装置も全て自分で考えて作らねばならない。

 

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私は、地下での水や熱水の流れ、というものが研究テーマとなった。小さなポンプでカラムと呼ばれる石や砂を詰めたパイプに水を送る装置を作ることから始まった。ところがこの研究室。当時はあまり予算が無かった。新品のポンプは買ってもらえない。仕方無く、八幡(やはた)と呼んでいた、研究室が所有していた納屋みたいな倉庫にあしげく通う。そこには、実験器具や装置やら器具やら機械がゴミのごとく転がっていた。その中からポンプを掘り出しては、油を差したり、分解したり、コンデンサーを変えたりして、修理する。使えるものを探して実験装置に組み込んだ。

 

そんなこんなで実験がようやくできるようになっても、そんな器具やら機械を使っているので、しょっちゅうトラブルが起こる。なかなかうまく動いてくれないポンプ。私の実験は水が流れてくれなければ何1つ進まない。ムッキー!となりながらポンプに八つ当たりする。この腐れポンプ吉がー! 実験結果が得られないと、月一回の中間報告で何も報告できないので事情を説明する。

 

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” ポンプが動かなくて実験が進みません。新しいの買って下さい。”

 

”だめだなあ、◯◯君は、機械のせいになんかして。物にも心は宿っているんだよ。 実験装置でも、機械でも、器具でも、ゴムチューブでも。だから毎日毎日、実験を始める前は声をかけて、いい子いい子して、しっかり拭いて、撫でて綺麗にしてあげるんだよ。さすれば、器械はよく働いてくれる。直る。壊れにくくなる。愛情を持って器具に接しなければダメだよ。

 

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(予算が無い言い訳か・・・!) と心の中で思ったものの、無い袖は振ってもらえない。買ってもらうことはできないし、さりとて、他に手段も無い。騙されたと思って、いい子いい子してみた。

 

 

 

ポンプは動き出した。

 

 

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何が言いたいのかと言うと。

 

 

 

 

 


うわーん・・・!(泣)

 

 

 

 

 

落としてもいないし、ぶつけてもいない。落としても大丈夫なカメラポーチに入れて使っていた買ったばかりのGRII。 何でか知らんけど、内部液晶が割れた!!! この写真では良くわからないが外側のガラス面は割れてない。傷1つない。内側の液晶だけピシッとひび割れ。何が原因かよくわからないが、使えないのは明らかだ。買ったばかりなのに。

 

 

 

 

この腐れポンチキのリ◯ー!しっかり作れ!

 

 

 

 

 

そんな時、C先生の言葉を思い出したのだ。

 

 

 

 

愛情が足りなかったのかもしれぬ。

 

 

 

 

戻ってきたらいい子いい子してあげよう・・・。