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SELECT 1 in GW

“我、ここにあり、汝は何者ぞ


 

 

 

このGWでの一枚を選ぶとしたらこれだ。写真の出来がどうこうではなくその時の思いの強さとして。

 

 

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鈴沼。その日、天候はひっきりなしに移ろっていた。雲の隙間から青空と日差し。かと思えば空が暗くなり、雨が降ったり、止んだり、強くなったり。風が吹きすさぶ度に、枝や幹をぶつけあうブナ。ギシギシ、ギーギーと鳴いている。日差しがでると、鈴沼に訪れたばかりの新緑の中、鳥がさえずる。近くには巨大な熊の糞。春の訪れに、森の中は、樹々や生物が醸し出す情景で満ち溢れていた。

 

そろそろ帰ろうかと旗坂に足を向ける。

 

すると、待っていた白いカーテンが遂に空から降りてきた。辺りは瞬く間に白い世界へと蕩ける。同時に、それまで吹いていた風までもが止んだ。ブナの声も、さえずっていた鳥の鳴き声も、風の音もどこかへ消えて無くなった。ふと廻りを見渡すと白い無音の森が眼の前に現れた。あらゆる生命の気配が消えた。ここには自分しかいない。自分の足音しか聞こえない。突如として現れた静寂の森。歩む度に眼の前には表情の違うブナが現れる。

 

深遠なる森。時として自然の猛威を人にぶつけてくる山。震えるような感覚を覚えた。

 

 

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去年は冬山シーズンが終わった途端、モチベーションダダ下がり。写真にも限界を感じ始めた時期だった。惰性で山に行ったり、写真を撮っていた去年のGW。翻って今年は、これでもかというぐらい山と森に通いつめた。前半は森で山菜採り、里山、そして行きたかった出羽三山の湯殿山。後半はひたすら森通い。

 

実は、行きたい山はいろいろあったものの躊躇していた。標高や時期にもよるが、3月後半から5月前半の残雪時期の山は難しい。雪割れが始まり、雪で倒れていた夏道を塞いでいた樹々が起き上がり始める。夏道は不明瞭。かといって冬道は藪藪でもう無い。ルート取りが非常に難しくなることは、2年前に初めて登った4月の後白髪山と5月の船形山で痛感している。おまけに深い踏み抜きがある。ひどいときは胸まで落ちる。踏み抜きは夏道の地面や石でのつまづきより捻挫確率は高くなさそうではあるが怖いことは怖い。この時期にそれなりの山に行くなら、十分な技術や経験があること、あるいは、行こうとする山に精通しているかしていないとなかなか難しいのだと思う。

 

そんな事情も抱えていたので、前半はSONEさんに何度か誘われたので感謝している。釜石の犬頭山、なにそれ? なミステリーツアーな里山。行きたかった湯殿山。GW前半は大満足な山登りで終えることができた。後半はひたすら森通い。旗坂起点に森の中を彷徨。タラの芽を採ったり、コゴミを採ったり、トチアブラを採ったり(笑)、先生が森の中で無くしていたレンズフードを拾ったり! あんな場所歩くのは森の時間と私ぐらいしかいない。先生はラッキーだ。氾濫原で天麩羅上げて、採りたて山菜を食ったり、牛野ダムで美味しいコシアブラペペロンチーノを食って、船形山主稜線を思い出にふけりながら眺めたり。写真もそれなりに楽しんで撮れた。新緑の森と山を満喫。

 

 

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6日間、動かずに必死に耐え忍んだかの方に、三歩くんのあの言葉を贈りたい。

 

 

2 件のコメントがあります。

  1. GW前半と後半の山の指向が全く異なっていますね(笑)
    毎日同じ場所に行くのは私には出来ないなぁ~。

  2. 私としましては、行くルートが違っていたり、同行する人が違っていたり、天候が違っていたりして、毎回新鮮な気分で楽しんでいたのですが、後半の4日目に同行したmikoさんには、「何か毎日同じことしてない?」と、まるで変態を見るように言われました(笑) 

    ふと後で気づいてみたら後半の5日間毎日同じところを似たような時間、車を走らせていました。

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