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秋の色は難しい

先日の栗駒の写真。いつもの設定で撮って自分的にはこんなもんでいいかと思っていたが、赤がもっとすごかったよ!と言われ不本意ながら、いつもは撮って出しの無調整JPGなのですが、栗駒の写真は色修正してみた。

 

実際、写真なんてものは、目で見ているものと同じ完璧な色と明暗の差は残せません。特に明暗の差は写真では見た目と異なります。これは、カメラの性能や撮り方の問題ではなく、メディア(媒体である紙、モニター)の問題です。カメラ技術の限界でも撮影技術の問題でも目のせいでもありません。見た目の実際の光景というのは、太陽の光からはじまるものすごい明るさから、光の無い真っ暗、真っ黒までありますが、この明暗の差は、印刷された紙なり、モニターなりではその通り映りません。当然です。紙で印刷された写真、あるいは、ディスプレイモニターに、強い光を発するような技術や機能があれば、現実の明暗の差もモニターや紙に落とし込めますけどね。

 

そんなメディアが出る必要性も無いとは思いますが、アミューズメント用には、ディスプレイあるいはTVモニターでは将来そういったものも出るんではないかと思います。まぶしいぐらいの強い光を発するモニター。紙は無理でしょうね。需要もないでしょう。そんなモニターが登場すればまぶしいぐらいの空を映しつつ、地形や街も暗くない映像、といったのを見ることが可能になるでしょうね。

 

 

明暗について

ということで実際の光景における明暗の差を写真に残すのは不可能です。したがって写真を撮る際には、明るい部分を基準とすれば暗い部分は黒ーくなる。暗い部分を基準にすれば明るい部分は真っ白になります。写真で言うところの露出オーバー、露出アンダーってやつです。見た光景とまったく同じようには出来ない。だからこそ撮影する際に、露出(明るさ)を決めるのが撮影のコツであり、経験であり、楽しみになったりもする。

 

 


露出オーバー。山を明るめに撮ると、空が明るくなりすぎて、雲や青い空のコントラストが消えます。特に雲が真っ白になる。山の斜面を明るくしようとするならこうするしかない。

 

 

 


露出アンダー。空の光量に合わせようとすると、山の斜面が暗くなる。しかし空を表現したいのであればこうするしかない。

 

 

適正値はどこなのかと悩むところですが、それは撮影者が残したい写真のイメージで決めるしかありません。空の明るさやコントラストをしっかりだすのであれば、暗い部分が潰れる。暗い部分をきちんとした明るさにすれば空が真っ白になる。適正露出で撮ったって、見た光景と同じにはならないのは、上に書いたとおりで、写真やモニターに出すメディアとする限り、実際に外で見ている明暗を残すのは不可能です。撮り方の問題ではないのです。1つだけ手段があって、暗い部分(シャドウ)だけ明るくしたり、明るい部分(ハイライト)を落としたりする、画像補正です。

 

 

 

 


暗い部分(シャドウ)持ち上げ。

 

これをやると空や雲はきちんと明るさやコントラストを残しつつ、山の斜面の明るさもでてきます。・・・が、要するに写真全体の光の明暗の差を縮めてしまっているわけで、やりすぎると明暗のコントラストが無い、メリハリのないのっぺりとした写真になってしまいます。極めつけはHDR写真というジャンル。良い悪いというか独特な写真になります。これはこれで面白いのですけど。

 

 

ということで割り切りが必要です。どうせ現実に見たもの(特に明暗の差)を写真に残せませんし、残す必要もありません。結局は写真を撮る人の好みで決めればいいことです。ですが、プロなんかだと違います。お客さんのニーズに応えるのがプロカメラマンですから、お客さんのニーズに合わせて撮ればいいわけで、実際より、明るすぎようが、暗すぎようが、シャドウ部分を調整しようが構わない。クライアントニーズに応えるのがプロカメラマン。作品集なんかを出すプロカメラマンの場合は、お客さんは作品集を買ってくれる人。その人が望む(買ってくれる)、あるいは、自身が望む作品のあり方で決めればよい。私の場合は趣味なので、好きに決めます。撮るものによって、露出オーバーであったり、アンダーであったりする。そして原則撮って出しJPGにしている。先生の指導(厳命!?)でもあるけれど、撮って出しの効用は、撮影時に力が入ることと撮り方の修練になることだと思っています。もちろんRAW現像や、後からの画像修正なんかは、よく巷では是非について熱い議論もあったりしますが、良い悪いなんかではなく、撮る人が自由に決めてやってまったく問題ないと思います。ほとんどの人にとって写真は趣味であり、思い出の記録ですから、目的や楽しみにあわせて自由に決めていいものだと思う。

 

 

自分の場合は・・・、撮って出し無調整JPGの真の利点は、1日1000枚撮ろうが、写真を選べばそれで終了。その日のうちに写真選んでおーしまい。1時間もかからない。めんどくさくない!これに尽きる(笑)

 

 

ちなみに、写真は実際の光景と同じじゃないとインチキ!とかの思想が割りと強いのが日本人だそうです。世界的には、写真というものへの捉え方は、絵とか同じように、表現手法の1つとして見る向きも多くて、実際との違いにあまりこだわらない人が多いんだそうです。ネイチャー写真だとまた違いますけどね。

写真は英語でフォトグラフ。光(photo)を描く(graph)とうい語源からなる単語です。日本語では、真を写す。描く、と、写す。写真への捉え方が単語の違いにも出ていて面白い。白黒写真なんかも、海外じゃ未だに根強い人気のジャンルだそうです。世界的な写真家も日本からは少ない。一方、レンズやカメラの技術は日本のメーカーが世界を席巻しているところがこれまた興味深い。日本において、写真は芸術や表現手法としてのジャンルではなく、見たものを写すものという考えが根底にあるからなのかもしれないですね。

私も実際の色に近いほうが好きな日本人ですが、写真って見るメディアが紙やモニターである限り、原理的に同じになるはずがないんだということに気付いてから気楽になりました。特に明暗(露出)については、撮っているのは写真と割り切って、好きに決めて撮っています。

 

 

 

 


アンダー気味に撮った写真。かつ色は少し落としている。朝日連峰。横から光があたる美しい稜線のメリハリを出したかったのでアンダー。これを適正露出で撮ってしまうと暗い部分が強調されないので迫力がでてこない。

 

 

 


オーバー気味に撮った写真。下の地面は実際より少し暗い。しかし被写体というか残したいのは空と雲なのでこうなった。下の部分を持ち上げてもいいですが、残したいのは空と雲なので、このままのほうが明暗のコントラストが残ってメリハリが出ます。

 

 

 

 

色について

 

これが難しい。基本的には明暗の考え方と一緒です。見た目通りのまったく同じ色なんてのは、露出(明暗)ほどではないものの、撮った写真は紙やモニターを通して見る限り、同じにはならないし、同じにする必要も特にない。上の写真でいうと、手前の紅葉を鮮やかにすると、一番遠い青い山並みが青くなりすぎる。逆をやると紅葉がくすんだ色になる、とか。両方調整すると色のコントラスト的にあまり好きではない。明暗をどうするかと同じことになります。結局、撮影者が決めるしかありませんが、色はなるべく近い色にしたいというのが心情としてはあるんですが、色は少し落としたい。かわりに光と影のコントラストが美しい光景を撮りたい。紅葉も色も少しくすんだぐらいがいいんでないかなあと言うのが今のところの感触。そうすると、錦秋の鮮やかな栗駒!な写真にはもちろんなりませんけどね。色を落として敢えて色のコントラストを下げる代わりに、光のコントラストが美しい時を捉えたい。色のコントラストが落ちている分、光のコントラストが強調されて目に映る。白黒っぽい写真。秋の鮮やかな色を被写体にせずに、むしろ他のものを被写体として秋色は背景として使いたい。なーんて写真が撮れればいいんですけど。

 

 


こんな赤だったよなあと、言われて赤を少し鮮やかにした写真。

 

 

 


オリジナル。やっぱこの程度の少し色褪せした程度が私は好きだ。赤や橙はくすんじゃうけど、緑はこの程度の方がしっくりくる。最近の写真管理ソフトをちゃんと使えば緑は維持したまま、赤だけ色を変えるなんてこともできるっちゃできるんですが、私の場合、これをやりだすと結構時間がかかるし、やればやるほど元の色(光景)が頭の中から消えていく。どんな色だったか忘れていくというかいじる度に、記憶色が書き換えられてしまう。いつも同じ設定で撮っている限りは写真を見れば、実際と多少違えど基準が変わらなければ、あのときの色、を頭の中で思い描ける。その場で見ているもの、その瞬間にこそ価値があるわけで、写真を家で調整するのはあんましやりたくない作業だったりする。

 

・・・が、秋の赤、黄はまだ設定が詰めきれていないので調整が必要だ。

 

カメラ設定は、Pentaxのナチュラルモードで、露出についてはMモード。グリーンボタンで0EVに合わせてあとはシャッタースピードは手動で調整。自分では自動露出でいじるより、この方が効率がいいし手間が無い。色については、写真倶楽部で先生に習ったとおりに、色はかなり落として撮っている。原則設定は変えない。靄の時や眩しい時、撮るものによってちょっと変える。自分的にもこれで十分とは思いつつも、秋色については悩み中。去年も秋色は失敗した。近いうちに、船形か刈田にでも行って、色相、彩度、コントラストを5段階全通り変えて125枚!全部撮ってくる予定。

 

 

 

ついで情報ですが、スマホなんかで撮るとえらーくキレイに撮れたりします。スマホはメーカー側がこの辺分かっていて、色は鮮やか目、露出についてはシャドウ持ち上げ、みたいなのを勝手にやっています。したがって何も気にしないで撮っても、やたらキレイな青い空!鮮やかな緑!そして空の明るさも、近景も暗くないスナップ写真としては良い写真が簡単に撮れます。iPhoneなんかが特にうまく設定している。ただ、写真の見た目的にキレイな感じに撮れますが、明暗のコントラストは弱くなり、色のコントラストは強くなりすぎ、鮮やかすぎる色になります。まあとはいっても結局は好みの問題。写真にそこまで拘る人なんてほとんどいませんし(笑)

 

 


ちなみに先日のベストショットはこれ(笑)くどすぎない色のおかげでSONEさんが惹き立つ。もうちょっと右にスペースがあったほうが良かった。

 

 


次点でこれがお気に入り。

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